公私共に生活が一変しました。これまで当たり前だった「昨日」が、いまや遠い過去のようです。国内旅行や海外渡航は制限され(多くの諸外国ではビジネスや観光を目的とした渡航者の入国が禁じられています)、またお客様を以前のように頻繁に訪問することもできず、同僚や友人と集まる場合ですら、その必要性を考慮した上で「どのように」集まるかを慎重に検討しなければなりません。
先日、名古屋のお客様を訪問する機会がありましたが、これが今年3月以降初めてのお客様訪問でした。満員電車や混雑する駅構内に驚き、また行き交う人々が(マスクに隠れた口元を想像する限り)笑顔であることに幸せを感じました。スイス国民である私が日本に住み仕事ができる大きな幸運を再確認しています。規律正しく責任感が強い日本のみなさまのおかげで、未だ現在は「コロナ感染の基礎レベル」にあり、「新たな日常」と呼ばれるほぼこれまでと変わらぬ生活を過ごすことができています。そして今は不況や金融危機からの景気回復のみを願っています
6月のニュースレターにてお伝えしたとおり、オートフォーム社では、在宅勤務を推奨しているお客様を対象に業務に支障をきたさぬよう、暫定的にライセンスを無償で発行させていただき、ソフトウェアの評価に時間を要する場合には評価期間を延長するなど、コロナ禍における特別プログラムや救済支援策をご用意しています。また必要に応じて別途、救済活動を検討いたします。御社担当のアカウント・マネージャーまでお気軽にご相談ください。
本ニュースレターには非常に興味深い記事を2点掲載しています。
まずは今年4月にISMR(International Sheet Metal Review)誌へ掲載された記事です。ポルトガルの小規模な金型製作所Epalfer社がAutoFormソリューションを使い、ロバストなプレス成形工程に最適な金型のデザインを導き出した事例を紹介しています。Epalfer社CEOは「AutoFormソフトウェアを導入してから、複雑な部品形状、最新鋭の材料、厳しい納期指定や品質要件に対応できるようになりました。」と述べています。ぜひご一読ください。
次に紹介するのは2020年5~6月にStamping Journalへ掲載された記事で、バーチャルなエンジニアリング・ツールの効果的な利用による、先進高強度鋼 (AHSS)や高強度アルミ合金のスプリングバックの緩和および管理に関する優良事例を紹介しています。特に最新の材料等級を扱う機会がある方々には、分析的なアプローチから成果を得る方法について、理解を深めていただけるかと思います。この記事の最後はこう締めくくられています。「現実のトライアウト・サイクルを削減し、安定した高品質のパネルを得ることができることは、トライアウトから量産開始までの総コスト削減の実現を意味します。そのためには、バーチャル世界でロバスト性を考慮しスプリングバック見込みを完了させるとともに、それをデジタル・マスターとしてシミュレーション通りの金型形状と加工条件を実際のトライアウトで再現することが不可欠です。」
これらの記事から見識を深めていただくことができれば幸いです。
スイスおよびドイツの開発チームは2021年の第二四半期に予定されているソフトウェアの新バージョンのリリースに向けて開発を進めています。このR10には数多くの新機能や機能改善が実装されますが、その多くは日本のお客様からのご要望が反映されたものです。おそらく次号ではR10の主要機能について先行発表できるかと思います。
ユーザーのみなさまやその企業のみなさまには、日頃よりのご愛顧とご支援に感謝申し上げます。弊社のソリューションが最大の恩恵をもたらすよう、オートフォームジャパン社員一同、最善を尽くしてサポートいたします。スイス本社の支援のみならず、世界各国の拠点から集積された専門知識を活用し、今後も御社の成長に寄り添う企業であり続けることをお約束いたします。
みなさまの安全と健康をお祈り申し上げます。
Marco A. Crivelli
Country Manager
AutoForm Japan K.K.