お客様各位
ニュースレター読者の皆さま
前回のAutoForm-Newsから配信システムを変更いたしましたが、ご案内のメールが迷惑メールフィルターにかかる割合が増え、うまくお届けできていないことがわかりました。問題の改善のために再度配信システム変更を行っています。このような状況であったため、せっかく素晴らしい記事作成にご協力いただいた、本田技研工業株式会社の川口様・島田様の3年間の挑戦を掘り下げていただいたインタビューを広く皆様にお届けできていませんでした。そのため、今回の配信で再掲載しています。川口様、島田様には昨年のユーザー会でもご発表のご協力を賜りました。改めてお礼申し上げます。
■Named User License(ネームド・ユーザー・ライセンス:以下NUL)への移行
AutoFormグループでは、従来、Node-lock(以下NL), Floating OneSite/Country(以下FL OneSite/Country)として提供させていただいたライセンスタイプをNULへ変更することに決定いたしました。NULにライセンスタイプが変わる製品は、Front-endのみでありBack-end製品は従来通りのFloatingのままで変更はございません。すでに各お客様へ担当営業より、移行プログラムに関してのご説明を開始していますが、まだご連絡できていないお客様もいらっしゃいますので、簡単ではございますがここでライセンスタイプの変更に至った経緯とライセンス移行プログラムの方針に関してご説明いたします。
2022年、日本、アメリカ、EUを中心に第三者機関による顧客調査を実施しました。私たち日本人は感じ難いことですが、世界の目からみると日本は特殊だ、と言わることが良くあります。そのため、なるべく多くのお客様の声が伝わるように、全顧客調査の40%を日本のお客様が占めるように対象を決定しご協力をいただいたものでございます。
以下のように顧客調査のニーズを見ると、コロナ禍で働き方が大きくかわりリモートで業務ができるようになった環境下において、在宅勤務を中心として場所に縛られずにAutoFormを使いたいという声がありました。NLではマシンの設置場所に縛られますし、FL Siteでは自宅や出張場所からAutoFormを使用することができません。また、他の人とタイミングが重複してしまい、ライセンスを使いたいときに使えないという声もありました。最後に昨今のソフトウェア使用のキーワードでもあるSaaSやクラウドへのソフトウェア・アプリケーションの対応もあり、クラウド環境を見据えたニーズがあることもわかりました。NULは人に紐づくライセンスですので、AutoFormを使いたいときに誰ともバッティングすることなく、またどこからでも使用をすることが可能になります。
顧客調査結果から判ったお客様のニーズ
- 場所に縛られることなく仕事をしたい
- ライセンス利用のバッティングを避けたい
- 利用環境は今後バーチャル化(クラウド)が主流になり、将来的に最良のソリューションになっていく
次にNULへの移行を決定したAutoForm社としての理由をご説明します。理由をまとめると以下の箇条書きで示した内容になります。AutoFormは、プレスからボディまで拡張し、この領域で他企業と比較したときに最大の投資を継続することで、競争力を磨き今日まで成長を続けて参りました。これからの将来を考えたときに、急激なビジネス環境の変化の中で将来も成長を続け生き残るためにはどうしたら良いのか、グローバルでも500名に満たない人数の小さな企業ですので日々真剣に議論をしています。AutoFormの競争力を維持するためには、この最大の投資を継続することに他なりません。その中で、特に契約違反であるライセンスタイプに整合しないリモート使用であったり、日本では該当企業は少ないですが、時差を活用し、1ライセンスを3拠点で共有したりなど、海賊版の使用を含めて、本来であればライセンスを購入いただける機会を大きく損失しています。これら契約書では制御しきれない状況を技術的に改善するものとして、NULの移行への意思決定を行ったというのも事実でございます。
AutoForm社がNULへの移行を決定した背景
- パブリック・クラウドソリューションへの対応
- ライセンス契約違反
- NLのリモートデスクトップでの利用(NL、FL OneSiteいずれもリモートワークで使用できません)
- ライセンスをグローバルに共有することは認めていない
- 時差の活用
- 納税ルール
- 海賊版
- 国によりますが、違法コピー利用を多数確認しております。(日本でも事例があります)
- 日本に本社を置く他国グループ企業での使用によるリスク
- 日本のOEMに対する不当競争に繋がります
NULの考え方は人に紐づくライセンスですので、1つのライセンスを共有してお使いになられているユーザーにおいては、ライセンスを必要な人数分購入していただく必要がございます。積み上げてきた使用方法を継続できるのか?結局価格はいくらになるのか?この2点が最大の懸念点になるかと思います。
これから新しくAutoFormをご検討いただく企業にとっては、NULをベースに使用方法をご検討されるため、そもそも従来の使用方法を考える必要がありません。しかしながら、現在ご使用いただいているユーザーにとっては、NULへの移行において大きく使い方が変わることが困りごとになるのは理解しております。そこで、既存のライセンスタイプからNULへの移行のご提案に際しては、「可能な限り」既存の使い方を再現できるようなプランをご提案します。従来のライセンスタイプに合わせてきた運用方法ですので、ユーザーによってはNULが合致しないケースもございます。特にAutoFormを限られた時間のみご使用されているユーザーが多いほど、価格に影響を及ぼします。NULの移行に際しては、既存の運用方法の再現と価格はトレードオフになる場合もありますので、完璧に皆様が納得できる移行プランのご提案は正直なところ難しいです。ただ、議論を重ね「可能な限り」納得のできる運用方法の再現と価格決定を行っていくことをお約束いたします。予測だけでなく、使ってみないと分からないという点もあると思いますし、将来においてはNULの特徴を活かした新たな運用方法もご検討されていくと思います。NULを中心に考えることが本質ではございませんが、NULのメリットを享受できるような視点も含め、あらためて現在のAutoFormの活用のされ方、これから将来に向けて何をしていくのか、いくべきなのか、といった皆様の競争力強化の道筋の議論をさせていただければと思います。
現在重点的に投資を行っている分野は、ヘム・アセンブリ(工程再現、接合種類の拡張、トレランスマネジメント、サブコンポーネントからボディ一体への拡張)、AI(Pre/Postの効率化、スマートな不具合算出、ソルバーの高速化と精度向上の両立、サロゲートモデルによる運用支援・生成AIによるダイフェース設計)、プレス(特に日本市場ニーズの高い型たわみ機能の拡張)になります。これからもAutoFormにご期待をいただけるように開発も加速して参りますので、前向きなNULへの移行プランの議論にご協力をお願いいたします。
■CarBody Management Summit2024に関して
別ページで詳細をご説明しておりますが、インターナショナルなお客様の交流の場として、本年もCarBody Management Summitをフランクフルトで開催します。年を追うごとに日本からの参加者も増え、お客様から多くのお問い合わせをいただけるようになりました。また昨年の日産自動車株式会社の阿部様に続いて、今回はトヨタ自動車株式会社様、本田技研工業株式会社様にもご発表いただけることになりました、トヨタ自動車株式会社の小口様、野田様、そして本田技研工業株式会社の矢崎様、佐藤様ご多忙の中ご協力賜りありがとうございます。
冒頭にお伝えした配信システムの変更とともにサイトの拡張も行いました。過去に配信したNewsのアーカイブもご覧いただけるようになっておりますので、ご覧いただけますと幸いでです。
社員一同みなさまの競争力強化のご支援にたずさわれることを意識し、これからもAutoFormの価値を感じていただけるよう、頑張って参ります。
皆様の安全と健康を心よりお祈り申し上げます。
オートフォームジャパン株式会社
代表取締役社長
鈴木 渉